合気道の実際の型の動きとコツを解説していきます。
今回は相半身片手取り編です(^^)
自身の備忘録としてだけでなく、これから合気道を稽古したい、関心を持っている方や、現在合気道稽古中で、技の考え方に悩んでいる、上手くいかない方に向けて発信していきます。
あらゆる体術の型をシリーズ化してリリースしていき、最終的にまとめ記事にしていきたいと思っています。
ぜひ、合気道人生のお役に立てていただければ幸いです。
相半身片手取り|技全体として意識すべきコツ
相半身片手取りは、相手も自分も同じ足を前にした半身の状態で、同じ側の腕を片手で掴んだところから始まる型です。握手の腕を握るバージョンと思えばわかりやすいかと思います。
片手取り系の技は基本的には、がっちり握らせる前に相手を誘導しながら腕をとらせることがコツです。
合気道の崩しや技は、相手の握りたい! 攻撃したい! という心理を利用するので、技の入りがとても重要となります。
特に、片手取りでは、腕一本を軸に技を始めるのですから、どっしり構えて腕を握られてしまったら、スムーズに技をかけるのが難しくなります。
※崩しはじめてしまえば、こちらのものなので、いかに車でいう1速に入れられるかがポイントです。
がっちり取られてしまった場合は、腕の力ではなく、体重移動で相手を崩してから技に入る必要がありますが、これは綺麗な方ではないので、道場でやると怒られますね(笑)
つまり、相手にこの腕をとりなさいと一定の間合いから誘導しつつ、相手が取りにきたら自分も少し動きはじめることがポイントとなります。
一教~四教
おさえ技です。相半身のいい例がなかったので、一教~四教がどういうものかがわかるYouTube動画を一部切り取って掲載しています。
動画は座技正面打ちの抑え技ですが、イメージはわくと思います。
技の流れ(初心者向け)
入り身(半身の前足から相手に向かって軸をずらしながら踏み込む)をしながら、腕を反時計回りに上げる。表なら相手のお腹側に入る。裏は相手の背中側に入って後ろ足を軸に転換しながら崩すのが違い。
フリーな手で相手の肘を制しながら上げた腕を切り下す。二教三教四教では、ここで相手を敢えて起き上がらせたところで極め技が入ります。
相手をうつ伏せに制する。これも一教~四教で抑え方が変わります。
ポイント(表)
手の甲を上にした状態でとらせる。
とらせる際は、少し自分のお腹の正面側に誘導しながら
入り身は深く(進んだ分足幅はきちんと寄せる)
力の方向は2方向。フリーの方の腕は相手の肘を押し上げるように。
取らせた方の腕は刀を切り下すようなイメージで捌く。
ポイント(裏)
手の甲を上。
取らせる前の誘導は表より浅めに。
回転(後ろ足からの入り身&転換)は、相手の裏側にしっかりと入る。
取らせた方の腕は、表と同様切り下す動き。フリーな方の腕は、相手の肘を握り過ぎないことがポイント。握って引っ張るのではなく、相手が倒れるまで転換をしながら崩し続けることがポイントなので、どちらかというと押す(間合いを保つために)動きがメイン。
ポイント(二教表)
きちんと相手の親指まで握りこむ
ポイント(二教裏)
手首を極めるのではなく、手首をロックした状態から、力を手首⇒肘⇒肩⇒腰につなげていくことが重要。
柔らかい人にも同様に効く技を目指さなければならない。
極めるときは、前足を相手より外側に置くことを推奨(足払い対策)
ポイント(三教)
小指側の手の付け根(尺骨)を制することがポイント。
小指⇒尺骨⇒肘に力をつなげると相手をコントロールできる。ここを極めないと三教は無意味なので妥協しないこと。
ポイント(四教)
四教は見た目だけだと、肘のピンポイントを痛めつけるような技に見えるが、これも前腕部(手の平側)を制することで、肘⇒肩⇒腰をロックすることが重要。
入り身投げ
こちらも、相半身の型ではありませんが、技の概要を載せましたのでご覧ください。
技の流れ(初心者向け)
基本回転(後ろ足で入り身&転換[その足を軸に半時計回り])から入ることが多いです。
腕を半時計回りに上げて、回転で相手の裏に入るor手のひらを上向きにして、そのまま腕をとらせるように誘導しながら回転して入ってもOK。
転換で崩しながら相手の首を制し、敢えて緩めて起き上がったところを、起き上がる力と心理を利用して背中から倒す投げ技です。
初心者の方だと、首を下方向に抑え込んでしまいがちですが、崩れた状態(転ぶ一歩手前のイメージ)を継続させることがポイントかつ、首を抑えた反動で起き上がる心理を利用しているため、畳みにたたきつけるくらいに崩すのではなく、崩す一歩手前で生殺しにするくらいのイメージがちょうどよいかもしれません(^^)
ポイント(入り身投げ)
取られた方の腕で捌く方がメイン。フリーになっている首を抑える方の手はあまり意識しないことがコツ。
入り身投げは崩しが最重要で、投げはタイミング。
半時計回りに腕を上げてから入る場合は、一教の裏と同様のイメージで崩す。
手のひらを上にむけた状態からすぐに回転に入る場合は、相手を待ってしっかり取らせるのではなく、相手に自分の腕をつかみたいという欲を出させるように誘導することがポイント。
小手返し
手首の細かい関節を極めて投げる技です。こちらも型違いですが、同じ技なのでイメージを掴みたいかたはどうぞ。
小手返しも関節技なので、二教~四教と同様に関節をきちんとロックした状態で相手の身体に力をつなげていくという考え方が重要になります。
技の流れ(初心者向け)
手のひらを上に構える。
時計回り方向に回転しながら(このとき、進行方向に親指を向けるイメージ)、フリーの方の手を相手の肩口から手までなぞるように辿って小手を掴む。なぞるときの手を向きは手の平が下を向く方向。
※肩口からなぞるようにすると見なくても感触で小手を掴むことができるため。
なぞっていくとちょうど親指側の手の付け根(橈骨)にひっかかるので、そこをしっかり小指・薬指で握りこむことが大事。
親指の場所は相手の小指と薬指の付け根にある骨の間をとるイメージ。
小手を曲げる方向は手首の曲がる方向にまっすぐ丸めるようにすることがポイント。そうすると肘⇒肩と力がつながるようになる。
ポイント(小手返し)
これも、相手の肩口からなぞるフリーの方の手は、小手に到達するまでは握りこまないことがポイント。
崩しの間はあくまで遠心力(斥力)を使いながら間合いを保ちつつ崩していくことが重要。
間違えやすいポイント
一教~四教の裏や入り身投げのパターン①のように、半時計回りに腕を上げる動作をすると自然に小手を掴めないためNG。
きちんと手のひらを上にした状態から親指を進行方向に向けながら回転して誘導すること。
ここまでは、フリーな方の手は、相手の腕の上側からとるパターンの投げを紹介しました。
次項からは、相手の腕の下側からとるパターンの投げをまとめていきます。
回転投げ
回転投げは、相手の死角に入り、文字通り回転しながら相手を投げることができる技となります。
技の流れ(初心者向け)
手のひらを上にして構えて、親指の方向に回転の足運びでまわる。
フリーの方の手は空いての腕の下側を肩口から撫でるようにして手首をとる。取り方は三教のときと同じ取り方。
時計回りにとった手を回しながら開けて、空いたスペースに入り身で入り、転換しながら、腕を振り下ろす。
そのまま投げてもよいし、入り身転換などで方向を変えながら回転して投げてもOK。
ポイント(回転投げ)
崩しの流れを止めないように、相手を常に動かすつもりで型に入る。
取りに来させるときの誘導から、投げの前の入り身転換で入るところまで、とにかく動きの流れを止めないことが大事。
隅落とし(すみおとし)
導入は回転投げと同じですが、相手の内側に入り込まず、肘関節に体重を乗せてたたき伏せる技です。
技の流れ(初心者向け)
手のひらを上にして構えて、親指の方向に回転の足運びでまわる。
フリーの方の手は空いての腕の下側を肩口から撫でるようにして手首をとる。取り方は三教のときと同じ取り方。
時計回りにとった手を回しながら開けて、空いたスペースに入り身で入り、相手の肘に体重を乗せながら落とすイメージで投げる。
ポイント(隅落とし)
最後の投げの時に、肘を曲げて腕で押さないように、腕はまっすぐ身体の力を伝えるイメージで投げる。
ここからは、崩しは最小でそのまま技に入るシリーズとなります。
四方投げ
合気道の技のなかでは危険度が高めの技ですが、基本を身につけるのに最適です。
その名の通り、形に入れば四方八方自在に投げることができる汎用性が高い投げとなります。
その分、素人にかけるとなると非常にシビアで、技に入るときに逃げられてしまう確率が高いため、いかに左右に力がぶれないかや、小さく投げるかがポイントとなります。
技の流れ(初心者向け)
自分のお腹側に相手を誘導するように片手を持たせ、そのまま半時計回りに取られた腕を回しながら相手の手首をとる。
後ろ足からの入り身で入り、剣の切り替えしの要領で腕を切り下す。
ポイント(四方投げ)
切り替えしたときに、相手も一緒にくるっと回ってしまうとこの技はかからないので、まっすぐ切り替えしを行うことが重要。
また、きちんと決めようと思う場合は小さい動きで切り返すことがコツ。
天秤投げ
導入は四方投げと同じですが、合気道で唯一逆関節側に負荷をかける技となります。
肘の関節を軽く圧迫して、相手を投げる技です。
技の流れ(初心者向け)
自分のお腹側に相手を誘導するように片手を持たせ、そのまま半時計回りに取られた腕を回しながら相手の手首をとる。
そのまま前足からの入り身をしながら、自分の肘で、相手の肘の裏側を跳ね上げながら、逆関節を極めて投げる。
ではまた(^^)/